月曜日の朝刊や、ネットニュースに、タイガーマスク運動の始まりとなった方の話が掲載されていました。
少し長くなりますがそのまま引用します。
漫画「タイガーマスク」の主人公・伊達直人を名乗る匿名の人物が、全国の児童養護施設や小学校にランドセルなどを届ける「タイガーマスク運動」。2010年に前橋市の児童相談所にランドセルを贈り、運動の先駆けとなった男性(40)が27日、東京都足立区の児童養護施設「クリスマス・ヴィレッジ」の交流イベントに参加した。匿名を条件に「元祖・伊達直人」さんに思いを聞いた。
「伊達さん」はヴィレッジに寄付を続けて16年。顔見知りの子どもたちに「大きくなったなあ」と声を掛けた。
3年前の12月18日。例年通りヴィレッジにクリスマスプレゼントを届けた時、施設で暮らす前に保護される「一時保護所」の子どもが増えている、保護所では学校へも行けない、という話を職員に聞いた。「ランドセルも入学式もない子が増えると思うと、心が震えた」。自宅のある群馬県への帰路、「地元の保護所にも子どもたちがいるはずだ」と、伊勢崎市内のショッピングセンターに立ち寄り、ランドセル10個を買った。25日未明、前橋市の児相玄関前に運び、1人で並べた。「児相にもサンタは来るよと、不安になる子どもを元気づけたかった」。孤児院に寄付を続けた漫画「タイガーマスク」の主人公・伊達直人を名乗って--。
報じられると、匿名の寄付が全国に広がった。「想像もしなかったことで驚いた。後に続いて広げてくれた方々に感謝の気持ちを伝えたいとずっと思っていました」
男性は福岡県出身。母は3歳の時に亡くなり、実父とされた人物には「俺の子じゃない」と言われ、親戚らの家を転々とした。あだ名は「捨て子」「みなしご」。11歳の時に預けられた家で「お前がいるから家庭がぎくしゃくする。謝れ」と言い放たれた。「生まれてきてごめんなさい」と口にした時、「この人生を受け入れよう。大人になったら自分のような子どもの力になろう」と決めた。
22歳で就職して上京。2年後、近くにクリスマス・ヴィレッジがあった縁で、月1万円の寄付を始めた。ある日、子どもに「お父さんとお母さんがいないから、僕にはサンタさんは来ない」と言われた。小学1年の時、サンタクロースに「ランドセルが欲しい」と手紙を書き、かなわなかった思い出がよみがえった。群馬に引っ越した今もヴィレッジで「サンタ役」を続けている。
この日は、プロレスの初代タイガーマスクで「初代タイガーマスク基金」を設立して各地の施設を支援する佐山聡さん(55)も訪れた。男性も昨年6月から同基金に参加。佐山さんは「彼の熱意を強く感じる。その後の広がりを日本の誇りに思う」と話す。
「自分の過去は変えられなくても、子どもの未来は変えられる」。施設の子どもたちの笑顔を見ながら男性はほほ笑んだ。【榊真理子】
◇タイガーマスク運動
2010年12月25日朝、群馬県中央児童相談所の玄関前に新品のランドセル10個が置いてあるのを職員が見つけた。漫画「タイガーマスク」の主人公、伊達直人の名前で「子供たちのために使ってください」とのメッセージが添えられていた。これがきっかけで、匿名による善意の品々を施設や学校に届ける輪が全国に広がった。
すべての子ども達が健康で幸せになれたらいいなと思いますが
様々な事情や現実を抱えている子ども達。
子ども達が理不尽なことで少しでも悲しい想いをすることがないよう
社会全体で支え、考えていけれたらと思います。